自分が元気がない分にはいくらでも耐えられるのだが、人を傷つけてしまうと、そちらの方がめちゃくちゃ堪える。仕事のことで、私が送った紋切り型の冷たいメールが何人かの人に動揺を与えてしまった。一応、今度、弁解の席を設けてもらったので、素直に謝ろう。
私は、仕事上では、情緒的な、浪花節的な人間関係はなるべく作らず、クールに付き合いつつ、時々触れる人間的な部分でかすかな信頼関係を育んでいくべきだと思っていたので、正直、周りの人のあまりの反応に驚いた。でも、やはりそれは私の想像力不足だったのだ。言わなくてもわかるよね?的な態度を私が押し付けてしまったのだ。私の方が甘えていた。どこかで皆人に大事にされたいのだ。それは私だって同じだ。それに気づかなかった。ありていに言えば、配慮が足りんかった。そんでもってやはり私は人付き合いが下手なのだな。うん。
謝っても泣くなよ!絶対。子供じゃねぇんだから…と自分に言い聞かせておこう。最近すぐ泣くからなー。
久しぶりに何もない日曜日。
昨日の夜までは、仕事+私事で多忙な数週間だった。昨日初めてお会いしたとある監督が、とても良い方だった。強引な手法で事をすすめるので結構敵も多いらしいのだが、人を引きつける吸引力みたいなものが感じられた。なんというか、いつも人の中心にいて周りに気を配れる人というか。1年間外国で撮影した映画がもうすぐ完成間近とか。結局、朝の4時までご一緒した。高いお酒をご馳走になったのにもかかわらず、大変失礼ながら、最後は横のソファで爆睡した。

PIMP OF THE YEAR土曜日の夜、時間つぶしのため11時閉店の渋谷のCD屋さんにギリギリまでいた。
で、買ったのが、Soil & "Pimp" Sessions。
その後、レンタルビデオ屋で黒人男性にAre you OK?と声をかけられた。ゲンキナイネ〜ダイジョブ?と。ううん!元気だよ!と言い、店を出た。
これ、ひょっとして単なるナンパなのかもしれないが、神様が天使を使わして私を元気付けてくれた、と思うことにしよう。実際、この一言に、どれだけ私が救われたか。
翌日、休日出勤して、誰も居ない部屋で残務整理をする。昨日買ったCDがんがんかけながら。いいCDだった。
自分がこれからどういう人生を歩むのか、全然見当がつかない。ま、こんな日々も懐かしく思い出す日が来るのだろう。

今日、道を歩きながら、フツーに「死にたい」と考えていた。
いろんなやりたくない仕事がたまっており、それを片付けるのが面倒で、それに加えて、「完璧」と思って出した書類に不備が見つかり、「あーあ」と自分に失望してしまったのだった。
ビルの上から飛び降りようか、とか、首つろうか、と考えていた。
あまりにもくだらない理由でフツーに自殺を考えている自分に気づき、「うつ」かしら、と思いつつ、ぼんやりしていたら、その後、静かにやる気が出てきて、難なくたまった仕事をひとつひとつ片付けていった。
なんなのだろう。
帰りの電車の中、ふと見た車内刷りの広告に「うつ、ノイローゼ、不安神経症、あがり症、どもり、云々カウンセリングで治します」みたいなのがあり、なんかその症状の一つ一つがドーン、ドーンと自分に向かって迫ってきて、不思議と「あんたは大丈夫」と言われているような気がしてきた。
昔、一番しんどかった時、私は今よりもずっと元気だった。
なんて私は不幸なんだ、と思って蒲団かぶってずーっと泣き続けていた日、お昼過ぎにふとお腹がすき、むくっと起きて、腫れた目を隠すためにメガネして、着替えて、近くのラーメン屋さんで一人でラーメン食べた。
あれ、おいしかったな。
あの時よりも、今の方が、元気じゃないけど、でも、おだやかに毎日過ごしてる。
自分の脳の働きなのか、神様のはからいなのかわからないけど、いつも、もうダメだ、と思うと、じんわりその気持ちが凪いでいくような気がする。
今日、そういえば、もうひとつ電車の中で思った。
私の後ろに、ものすごくお尻がプリッとした女の子が立っていて、「わー触りたい」と思ってしまった。「魔が差す」瞬間ってあるんだろうな、とその時思ったのだった。

いやはや。vacantさん、KT49さん、こんな生きてるのか死んでるのかわからない日記読んで下さって有難うございます。(涙)時々思い出したように書きますので、たまに見てください。
さて、常々気になっていることがある。
それは「体の相性」という言葉だ。時々人と話していて「今の彼と体の相性が合わなくてさ〜」とか「性格の不一致より、性の不一致の方が問題だよね」的な発言を耳にすることがある。
そのたびに私は「本当か!?」と思うのだ。
これは単に相手が「上手いか下手か」ということなんではないかと思うのだ。もっと言うと、相手が「人の身になって考えてあげられる人」なのかどうか、ということなんではないか。だから、あなたが「相性がいい」と思っている人は、誰にとっても「相性がいい」人なのではないかと思うのだ。
ただ、「相性」問題を語る人は大抵フィールドワークを重ねた猛者なので、私は押し黙るしかない。

夜露死苦現代詩都築響一夜露死苦現代詩』を読んだ。
ボケ老人が呟く意味不明な言葉の羅列、暴走族の特攻服の背に刺繍された詩、点取り占い、死刑囚の詠んだ俳句等々、世の中には、人の心を揺さぶる言葉がいたるところに転がっていることに気づかされる。
しかしなんと言ってもインパクトがあったのは、ボケ老人が呟いた「人生八王子」というフレーズだ。仕事に没頭している時、電車に乗っている時、何かふとした拍子にポカっと浮かんでくる。
「人生八王子」
全てが無になる瞬間だ。

遙かなる山の呼び声 [DVD]昨日、久しぶりに「遥かなる山の呼び声」を観た。何度観ても良い映画だ。誰かが、倍賞姉妹は日本の宝だ、と言っていたが、本当にそう思う。そして高倉健。結局彼は「奥さん」への愛情を言葉で表すことはない。「ここでの2ヶ月間のことは一生忘れません」という以外に。
しかし、高倉健倍賞千恵子ハナ肇も、ついでに吉岡秀隆も、こんな人もういないだろうなぁ、という思いがむくむくと湧きあがった。だいたい、いまどきの後家さんなら、ハナ肇に「な、いいだろ?」と言われたら、すぐヨロとなりそうだ。高倉健倍賞千恵子だって、2ヶ月も一緒に暮らせば、あっという間にねんごろになりそうだ。そこを、ならないんだなーこれが。貞操観念みたいなものが、まだあった頃の話だ。今ないもん。全然。だから、こんなコンセプトの映画はもう作れないんじゃないか、と思った。
山田洋次の映画は、倉本聡のドラマと同様、そこに「いる」人々の描き方がうまい。そこに何年も暮らしている匂いみたいなものがにじみ出ている。でも、これは、本当にそこに「いる」人々が演じても出せない。全くフィクションの世界だ。だから、倍賞千恵子の義兄役で出ている人が、どうやら北海道の地元の人のようで、一人だけ妙に演技がヘタクソで、そこだけ興醒めした。素人といえば、獣医役の畑正憲は良かった。泥酔状態で牛の手術をし、夜明けと共に、眠そうに馬に乗って帰るところなんか、とてもよかった。
一箇所、アドリブなのか、吉岡秀隆を馬に乗せた高倉健が、「どうだ!楽しいか!2500円払え!」というのが、おかしかった。吉岡が「え〜、高い…」と困惑しつつ呟くのである。

irori-ko2006-07-03

週末に「さよなら、ナム・ジュン・パイク展」をワタリウム美術館に観に行った。ナム・ジュン・パイクの存在を初めて知ったのは、もう20数年前になるだろうか。あの頃、中学生だった自分にとって、平面の「美術」から3Dの「アート」へと知覚の扉を開いてくれたのは、彼だった。すでに今の私は、「アート」の表層だけを覗いただけで興味を失い、まったくそれとは無縁の生活を送っているが、今回「さよなら」の文字を見て、彼が亡くなったことを知り、久しぶりに行ってみよう、と思ったのだった。
20数年前の時点で既に、60、70年代の作品が多少「懐かしい」ものとして展示されていたが、今回は、そこに80年代の「グッドモーニング・ミスターオーウェル」等々のビデオ作品も展示されていた。Thompson Twinsの〝Hold me now〟のビデオクリップが流れており、ヘッドフォンをかけるとツンツンヘアのおあにいさんが♪Hold me now wowwow 〜と歌っていた。あの頃のことをこんな風に「懐かしく」見ようとは。
テレビモニターの中でろうそくが燃えている「キャンドルTV」。魚が泳ぐ水槽の後ろに、ダンサーが踊る様子が流れいているモニターが置かれている「フィッシュTV」。単純に美しく、面白いと思った。人工的な木々の間にモニターが木の実のように置かれている森も。
ワタリウム自体もびっくりするほど変ってなかった。絵葉書コーナーとかステーショナリーの品揃えとか。ついでにそのままテクテク歩いたら、「文化屋雑貨店」まであって、ビックリした。まだあったんだ。流行り物好きの私は、日々飛び回るように面白そうなものをあちこち見て周り、まわりもめまぐるしく変っていっているような感じがしていたが、単に私の周りだけであって、私とは関係なく、私が飽きようが、ちゃんとしっかり残っているものもあったんだ、と妙な感慨を覚えた。

斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇 (文春文庫)
車で走っていたら「とかとんとん」というラーメン屋を発見。何かと見間違えたかと思った。やはりあの太宰治の短編からとったのだろうか。最もラーメン屋的なものから遠い内容かと思われる。そこを狙ったとすれば、「深い」としかいいようがない。「なんつッ亭」とともに、謎のネーミングランキング上位。
NEWS23」でCOCCOが「私、ニュース23筑紫哲也も嫌いだったさー。それは、好きな人(沖縄)のことを、私よりも知ってて、私よりもよく考えていたから。だからヤキモチ焼いてたんさー」と。どうして「NEWS23」見る度にムカムカくるのか、これでわかった。ヤキモチなんさ。
真夜中にチャンネルをバチバチ変えていたら、NHKで「はたらくおじさん」の再放送。タイトルが「乳首を研究するおじさん」何か見間違えたかと思った。しかし、本当に乳首を研究するおじさんだった。ピジョンの。哺乳瓶をチュ−チュ−吸うおじさんの大写し。
http://www.nhk.or.jp/neo/story/20060411_ojisan.html