幸福の黄色いハンカチ

幸福の黄色いハンカチ」はいい映画だ。それは認めます。ロードムービーとしても面白いし、過去と現在を交互に見せる展開、随所に出てくる寅さんファミリーの人情味溢れるキャラクター、そして「オナゴは弱いもんだから、男が守ってやらんといかんのです。」等々アナクロだが心を揺さぶる台詞の数々。クライマックスの大量のはためく黄色いハンカチ、洗濯物を干している倍賞千恵子、俯瞰でとらえる再会の場面。どれをとっても素晴らしい。
が、なんなんですか!あのラスト。なぜ、武田鉄矢桃井かおりのキスシーンで終わるのですか。しかも妙に生々しい。思わず目を伏せてしまいたくなるような。しかもなんで武田鉄矢側からアップでとらえるのですか。手を握るぐらいの感じで終わらせとけばいいじゃないですか。
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これは、武田鉄矢桃井かおりも悪くない。山田洋次の責任です。
あと、リリー・フランキー氏も指摘している、クライマックスに流れる「ヒャ〜」が、「男はつらいよ」の寅さん登場時の音楽に酷似していて、入り込んで見ている観客を一瞬にして「あれ!?」と思わせるのも、ねらいなのかなんなのか全くわかりません。
それでも、「幸福の黄色いハンカチ」はいい映画だと思います。