島尾つながりで島尾伸三『月の家族』を読む。いわば『死の棘』の家を子どもの側から見たらどうなるか…という物語。読んでいて強く感じたのは、子どもは自分なりにバランスを取りながら自分の力で大きくなっていくんだな、ということ。それは、「いじめ」というかたちで噴出することもあるし、「いたずら」「ケンカ」というかたちで出ることもある。ある意味では、ダメな親(とあえて言うけど)の元でいかに生きていくか、というサバイバル書とも読めなくもない。そしてこの本のバックグランドとしてあるのが、奄美大島の自然と人々のおおらかさ。「ハゲー」と嘆き「イーガ、イーガ」と許してくれる人々。「フレムン」と呼ばれるおかしな人々。カトリックの司祭達。伸三さんは「信仰」に疑問をもちつつも、どこかで憧れを持っている。月の家族
そしてこの本のなによりも面白いところはとてもビジュアル的であるということ。ものすごく情景が目に浮かぶのだ。司祭のスータンがフルフルと揺れるところや、バスの窓からいらなくなったメンコをばらまくと、子供達がわーっと取りにいくところ(その中に妹のマヤも混じっている)、天井の節目を眺める病気の子ども。。
他の本も読んでみたい。
さっき充血した目に「ヴァイシンプラス」を注したら、劇的に治った。びっくり。