せんべろ探偵が行く中島らもの『せんべろ探偵が行く』を読む。「せんべろ」とは、「千円でベロベロになれる店」という意味。関西では「つまみ」のことを「アテ」というんだな。安い飲み屋で語られる、ゆるい関西弁の会話がなんともいい感じ。時々らもさんが思い出したように語りだすエピソードが面白い。
駅前でらもさんがボーっと友人を待っていたら「ワレ、なんどいや!?」とおっさんにからまれる。「ワレ、なんどいや!?」=「お前は何者か?」。らもさん「ある意味、根源的な問いやね」と。なんと答えたらいいかわからず、そのままつっ立ってたら、友人が来て「おっちゃん、堪忍したって。こいつアホでんねん」と。おっさん「アホなら、しゃあないな」と帰っていった、という話。すごい好き。
せんべろの店から出たらもさん、思わずよろけて同行の編集者につかまるが、その編集者もベロベロで二人ともへたりこんでしまう。そこに赤ら顔のおっさんが寄ってきて「おい、救急車呼んだろか!?」というところもいいなー。
中島らもの本は、らもさんの死後買って読むようになったが、『せんべろ』が一番面白い。というか「せんべろ」は、正しくは、その同行した編集者の人が作った本なんだけど。
今日は、これから、その「せんべろ」に出ていたお店に行こうと計画している。どんなんかな。