東京都現代美術館に「大竹伸朗 全景」展を観に行ってきた。ものすごい量の作品群にただ圧倒された。人間は、というか、私は、日々大量のゴミを作りながら生きているが、大竹氏は「作品」と「ゴミ」のスレスレのところで、なにものかを作り、それを保存し続け、私もなにものかを作って、捨てている、という感じがした。親子で見て回っている人々を結構見かけたが、子どもには刺激が強くないだろうか。夢に出てきそうなものばかりだった。スナック(?)「ニューシャネル」のドアとか。スクラップブックのヘンな絵とか写真とか。
とある作品の前で、爆笑しそうになった。一人だったのでこらえた。前衛芸術のギャグって、ねらいはわかるがつまんねぇよ!というものが多いが、あれにはやられた。反則だ。そして大竹氏の女性の好みみたいなものも何となく感じられた。そんなもの感じてもしょうがないのだが。
船の底の部分の鉄板を使ったオブジェを見ながら、ふと「廃材利用」→「宇和島」→「病院」→「臓器移植」と連想が進んでいった。宇和島はひょっとして、廃材利用に長けた者を引きつける何かがあるのか。美術館を出ると、日が暮れていて、屋上で光る「宇」「和」「島」「駅」のネオンが美しかった。ネオンと絵具箱
行ったらちょっとは元気出るかな?と思っていたら、やはり元気が出た。良かった。
帰りの電車の中で『ネオンと絵具箱』を読む。読んでいたら、じわじわ涙が出た。